「食品特化戦略を転換」(日本経済新聞 2006年10月7日 朝刊より)
「衣料・雑貨も強く」ダイエーは、六日の臨時株主総会後の取締役会で、八月に筆頭株主になった丸紅出身の西見徹副社長執行役員の社長就任を決めた。西見社長は同日、営業の重点分野について「食品をベースにしながらも衣料や雑貨も強くしたい」と述べ、産業再生機構下で進めた食品スーパー重視の路線を転換する考えを示した。
(引用終了)
「原点回帰」を目指していたダイエーが戦略を転換しました。
イオンとの資本・業務提携に備え、これまで経営再建策の軸にしていた食品スーパー特化路線から総合スーパーに路線を変更するようだ。
理由としては、提携先のイオンが2001年に破綻した総合スーパーのマイカルの再建で実績があり、仕入れの共通化や商品開発などで相乗効果が見込めるためらしい。
根本的な背景は、筆頭株主が変わったことによる方針転換だろうが、その戦略転換のタイミングは時期尚早に思えてならない。
なぜなら、ダイエーは一度、総合スーパーとして失敗しているからだ。
顧客から「ダイエーは何でも揃っているが、何も欲しいものはない」と皮肉を言われるくらいやみくもに拡大路線を進めていった結果、破綻しているのである。
この反省を踏まえての原点回帰ではなかったのだろうか。
道半ばにしての方向転換は大いに疑問を感じる。特に食品部門の収益が伸びなかったことを方向転換の理由の一つにあげているが、
企業の中核となる事業を会社の全経営資源を使って立て直すことが本来の原点回帰の目的なのではなかろうか。
自社の中核事業を立て直すこともできないのに、他の事業に経営資源を割くことはいかがなものであろう。せめて食品事業の収益が改善するなり、業界でシェアを回復するなりまでがんばったほうがよかったのではないだろうか。
また、事業を多角化すること自体は問題ない。ただし、タイミングが大切だと思う。個人的には
企業の中核となる事業の安定こそがそのタイミングだと考える。既存事業の撤退時もタイミングの一つになりえるが、基本は事業を拡大する過程で多角化を推し進めることが望ましいだろう。
自社の中核事業で強みを発揮できなかったダイエーは、総合スーパーとして本当に復活できるのだろうか。今のままの状態で総合スーパーを目指すならば、数年後かには、ダイエーの看板が全てなくなり、イオンになっているような気がしてならない。ひょっとしたら筆頭株主の目指すところは、そこなのかもしれない・・・。
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