『戦略なくして成功なし』 =中小企業のための「IT化、その前に!」=

バランススコアカードの4つの視点の連鎖 

バランスカードの4つの視点は、連鎖をしています。
連鎖とは、「因果関係」のことです。
「こうすれば、こうなるという」関係でしたね。
目的と手段の関係ともいえます。

財務の視点が、連鎖の最初のスタート地点になります。
財務の視点は、企業にとって究極のゴールです。
企業が利益集団である以上、オーナーである社長も含めたすべての利害関係者の期待に応えるための財務的な戦略目標が必要です。

次に、顧客の視点です。
財務的な戦略目標を達成するためには、より多くのお客様に商品を買っていただかなくてはなりません。そのためには、顧客のニーズを掴み、提供することで、顧客満足を向上させることが必要不可欠となります。

続いて、業務プロセスの視点です。
財務的な戦略目標の達成や顧客満足を満たすには、競合他社より優れた業務プロセスが必要です。コスト面から顧客ニーズに応えるためにも、効率的な業務プロセスを目指します。当然、手厚い顧客サポートなども業務プロセスの中に含まれます。

最後に、人材の視点です。
業務プロセスの改善を行なうためには、優れた人材やインフラ整備(情報システム・制度)が必要となります。

実際、多くの企業で人材育成について、なんらかの取り組みを行っています。しかし、財務の視点・顧客の視点・業務プロセスの視点を実現するための人材育成を行っている企業は、まだ少ないように思えます。

意味のない管理者研修、ビジネスで活かす機会がないのにもかかわらず
奨励している語学研修や資格取得の補助金などが、この4つの視点の連鎖で見ていただくと、会社にとって本当に必要な人材育成のための投資かどうかも、おのずと判断できると思います。

インフラ整備も同様です。目的のない情報システムは、導入した時点で粗大ごみとなります。
これほど、無駄な投資はありません。

あくまでも、目的と手段との因果関係が大切になってきます。

以上を、図で表すとこんな感じです。
トップダウンな感じで、目的と手段という形で、連鎖があることが理解できるのではないでしょうか。
4つの視点の連鎖01


この図を踏まえたうえで、経営者が最初に意思決定すべきことは何でしょうか?
もうお気づきでしょうが、人材の育成と、インフラ整備(システム・制度)となります。
つまり、最初に、人材育成やインフラ整備に投資をします。

すると、今度はボトムアップするような形で、先ほどの手段がどんどん実現されていきます。
優れた人材を育成することで、効率的な業務プロセスの改善ができ、
業務プロセスが改善されることで、顧客満足が向上する。
そして、最終的には、財務的な戦略目標が達成される。
4つの視点の連鎖2


どうでしょうか、財務的な戦略目標の達成までのストーリーを描くことができたでしょうか。

ちなみに、4つの視点の連鎖は、最終的には、戦略マップの作成において、成功するための戦略シナリオとして表現されます。

「バランスコアカードの使い方がよくわかる本」の松山先生は、
バランススコアカードの特徴のひとつとして、「物語る」をあげています。
とてもわかりやすい表現だと思います。

まさに、バランスカードの4つの視点の連鎖が成功のためのストーリーを表現しているのではないでしょうか。

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■参考文献
「バランススコアカードの使い方がよくわかる本」 松山真之助

因果関係の重要性 

バランスカードの4つの視点は、連鎖をしています。

連鎖とは、原因と結果という因果関係のことです。
いわゆる、「こうすれば、こうなる」という因果関係です。


われわれの周りに起こる出来事のほとんどは、何かしらの因果関係があります。

そして、この因果関係には、不思議と人を納得させる力があります。

次の2つの文をみてください。

「一生懸命勉強したから、試験に受かった。」

「勉強せずに遊んでばかりいたから、試験に落ちた」

どちらも因果関係があり、誰が読んでも納得できるはずです。

それでは、企業経営に置き換えて考えましょう。

社長が年初の挨拶で、次のうちのどちらかを言ったとします。

「今年の売り上げ目標は、10億円です。どんなことをしても達成してくれ」

「今年は売り上げ目標は、10億円です。そのためには、新規市場開拓による新規顧客の獲得、および、カスタマーサービス強化による既存顧客の維持が不可欠です。」

どちらのほうが、納得感が得れるかは、明白だと思います。
当然、因果関係を持って話をしたほうですよね。

きちんとした因果関係があり、それを伝えることができれば、「どうすれば、達成できるか」という成功するためのストーリーを、聞いた人は頭に描くことができます。
当然、成功のイメージが描けた人は、それに沿って行動することができます。モチベーションにつながる大切なところです。

つまり、企業が立てた目標を達成できない場合には、目標を達成するため成功シナリオがきちんと提示できていないか、あるいは、きちんと伝えきれていないことのどちらかに原因があるのではないでしょうか。

企業が描く成功シナリオは、戦略シナリオといいます。

戦略シナリオがきちんと描けているかどうか、また、それが共通の価値観として共有されるかどうかが成功の鍵となります。

バランスカードは、4つの視点の連鎖を整理し、戦略マップを作成することで、この因果関係を可視化し、戦略シナリオを描くことができます。
また、利害関係者に戦略シナリオを伝えることができる伝達ツールでもあります。


次回、バランススコアカードの4つの視点の連鎖について、
もうちょっと詳しく書かせていただきます。

■関連記事
バランススコアカードの4つの視点の連鎖


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■参考文献
「図解入門 最新バランス・スコアカードがよーくわかる本―戦略的マネジメントへのパーフェクトアプローチ」
藤井 智比佐 (著)

全体最適で考える。 

バランススコアカードは、
企業経営を、全体最適の視点で、カバーし、鳥瞰できる手法といわれています。
「部分最適ではなく、全体最適の視点で経営を考える」ということです。

部分最適とは、企業の中であれば、自部門の利益だけを考え、行動し、会社全体の利益としてどうなのかという視点が欠如していることを言います。いわゆる、縦割りなセクショナリズムですね。

これに対し全体最適は、全社的な視点で利益を考え、行動することを言います。最近では、さらに全社を超えた、取引先・関連会社を含めた形で、全体最適をする動きもあります。

SCM(サプライチェーンマネジメント)という言葉をご存知でしょうか。

流通の川上(製造)から川下(販売)までの一連の供給する流れを、ひとつの全体としてとらえ、全体を最適にマネジメントする手法です。

これなんかは、まさに全体最適にもとづく手法となります。

部分最適では、経営パワーが分散してしまったり、無駄が生じたりしがちです。一方、全部最適では、経営パワーが集中するだけでなく、相乗効果も生まれます。

通常、ヒト、モノ、カネといった経営資源は無限ではありません。
経営資源に制約があるからこそ、全体最適による一点集中型で望んだほうが、成果が出やすいというということも考慮すべきだと思います。

そういった意味で、バランススコアカードは、全体最適の視点に立って、経営を考えるので、たいへん優れた経営ツールといえるのではないでしょうか。

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藤井 智比佐 (著)

バランススコアカードとは 

バランススコアカードとは、
「夢やビジョンを実現するために、策定した戦略を、日々の業務にまで落としこんだ枠組み」である。すなわち、戦略を実行するためのマネジメントツールである。

バランススコアカードは、次の4つの視点から成り立っています。

bsc


財務の視点

テークホルダー(株主・従業員など)を満足させるためには、財務的にどうあるべきか。
企業が利益を上げ、ステークホルダーに利益を還元することが、究極のゴールになります。

顧客の視点

顧客のニーズをつかみ、顧客満足を向上させるためには、どう行動すべきか。
お客様あってこそのビジネスです。

業務プロセスの視点

競合他社に負けない競争力をもちつつ、顧客満足を向上するためには、業務プロセスをどう改善すべきか?

人材の視点

人材育成と組織力強化のためには、何をすべきか。
従業員ひとりひとりの能力が最大限発揮されてこそ、夢やビジョンが実現できます。

これら4つの視点は、企業が成功するための必要最低限の成功要因となります。

戦略のツールは、いろいろありますが、バランススコアカードの強みは、やるべきことをきちんと因果関係であらわすことができることです。
また、何をやるべきかを可視化することで、従業員ひとりひとりに、会社のすすむべき方向性を示せることです。

※人材の視点とは、学習と成長の視点のことです。また、本来のバランススコアカードと視点の位置を変えています。松山先生の著書を読んで、こちらのほうがしっくりくるので、使わせていただいてます。

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■参考文献
「バランススコアカードの使い方がよくわかる本」 松山真之助


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