全日空 国内の全13ホテル売却 (日本経済新聞 2006年12月8日 朝刊より)
全日本空輸は国内に保有する全13ホテルの土地、建物を売却する。不動産会社や投資ファンドなどを対象に月内に入札を実施、今年度中に売却先を決める。売却側は少なくとも1千億円を超える見通し。今月からホテルの運営を英系ホテル会社との共同出資会社に移管したのに続いて資産も手放し、航空事業に経営資源を集中する。
(引用終了)
全日空が多角化路線から本業特化へと大きく戦略を転換する。
現在、全日空は航空業界No.1の会社である。
しかしながら、2位の日航グループとのシェアの差は非常に僅差で、2005年度の市場占有率でも、全日空48.1%、日航グループ46.4%という占有割合になっている。また、このNo.1の地位は不動なものではなく、年によって1位、2位が入れ替わる壮絶な状況となっている。
このような状況の中で、全日空は本業である航空事業に経営資源を集中するために今現在の「金のなる木」となっているホテル事業を売却することを決定した。この事業売却で得る資金をさらに本業の航空事業に振り向ける予定だ。
従来のように単純に不採算な事業を処分するための売却ではなく、
黒字事業であっても戦略構想上不要であれば売却するというスタンスで事業の取捨選択を行っているところがすばらしいと思う。「中核事業に経営資源を集中する」当たり前のことであるが、なかなかできるものではない。特に黒字部門を売却するにあたっては、トップの強い意思決定があったのではないかと推察する。
No.1をとりたい業界で、もしあなたの会社がNo.1でないなら、事業の数を減らしてでもその中核事業に経営資源を集中させましょう。■追記
今回の事業売却を契機に、今後の航空業界の市場占有率は、大きく変わるのではないでしょうか。本来2位の会社が1位との差別化を図るところが、1位の会社自らがさらに事業を強化し始めたのですから。
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■参考文献 日経市場占有率2007(日本経済新聞社)